第三回裁判と集会の報告


日時:2010年12月13日(月) 午前11時~12時20分

場所:京都弁護士会館大会議室2、3

 

朝からの小雨が、約20分の裁判が終わる頃には地雨に、集会が終わることには本降りとなっていました。このような天候にもかかわらず、傍聴席は満席となりました。引き続きの集会もほぼ一杯になりました。毎回来てくださる方、初めて参加してくださった方々に心からお礼申し上げます。裁判官も「毎回沢山の傍聴者だなぁ」と、この裁判にかける原告と支援者の思いを受け止めてくれていると確信します。

≪裁判の報告≫

第1準備書面に従い、原告側弁護士が以下の点を反論しました。

被告側の主張:「契約を更新するかどうかについては、あらかじめ『教授会の承認』という判断基準を明示しているから、更新可否の判断基準の明示が欠けているとの原告の批判はあたらない」

原告側の主張:「『授会の承認』のみでは判断基準としての具体性に全く欠けている。どのような場合に更新されるのかについて予測することができず、労基法14条2項に基づく「有期労働契約の締結、更新及び雇い止めに関する基準」の趣旨を逸脱しているので、判断基準を明示したことにはならない」。

2.被告側の主張:原告が働いていたサービスラーニングセンター(SLC)について、「長期の存続が確定的なものではなかったのであり契約更新せずに、3年で契約を終了させる可能性もあった」。

原告側の主張:「SLCの設置理由からしても、SLCの見直しは継続を前提としたものであり原告が雇用継続の合理的期待を有していたのは明らかである」。

原告側の反論は続きますが、ひとまずHPでの報告はこの程度にします。

 

≪集会の報告≫

傍聴後の集会に引き続き参加した人、集会に駆けつけてくれた人もいて、40人席の部屋が埋まりました。

まず、龍大教職員組合から、「大学で働く多くの有期雇用・非常勤教職員を支えていく」との心強い挨拶がありました。

平日に、時間も旅費を使って参加してくださっているのだから実りある集会にしたいと考え、「有期労働契約法制」について学習することにしました。お話くださったのは、OPEN(平和と平等を拓く女たちの絆)・なかまユニオンの山本由子さんです。

題:『有期労働契約法制化のどこが問題?』

《現状》

派遣社員、契約社員、パート、アルバイトなど有期雇用の労働者は増加の一途をたどり、その内女性の占める割合は約70%、年収300万円以下が8割以上。9割以上が1年以内の契約で、その期間は、1年→6ヶ月→3ヶ月→1ヶ月と短期間になっている。

このような現状に、厚労省は「有期労働契約研究会」を設置し、2010年9月に最終報告書が発表した。報告書は以下のサイトです。http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000q2tz.html

《報告書のポイント》

*締結理由の規制、*更新回数や利用可能期間にかかるルール、*雇い止め法理(解雇権濫用法理の類推適用の法理の明確化、*均衡待遇及び正社員の転換等について

 

《報告書の問題点》

・有期契約労働者の保護からは程遠いものである。正社員への転換ではなく、むしろ正社員の定義を変え、低賃金で解雇しやすくしようとするものである。この法制のねらいは、安上がりで景気の調整弁として使える労働者、即ち「労働者が家庭との調和を図りつつ、生き甲斐や働き甲斐のある充実した職業生活を送ることができるよう」という美辞の下に、女性と高齢者を使おうとしている法律である。

 

時間に制限がある中で、資料を元に駆け足で説明して頂きました。山本さんありがとうございました。使用者側に都合のいい法律にさせないために、国会の動きに注目しつつ、さらにその意図するところを洞察する力を養わねばと再確認しました。

弁護士から、「利用可能期間の上限を超えた法的効果(みなし規定)のように、使いようによっては労働者に有利に働く内容もあるから、それを実効あるものにしていくことも重要である」との助言がありました。

 

最後に、現在裁判中の原告稲森秀司さん(ヤンマー雇い止め違法訴訟)、清水潤子さん(自治労滋賀県本部解雇事件)、本田福蔵(日本基礎技術試用期間中解雇事件)、井上昌哉さん(京大非常勤職員雇い止め事件)からの裁判予定のお知らせと、釜パトから越冬支援の呼びかけがありました。

 

次回4回目の裁判は来年!2011年2月10日(木)11時から、京都地裁208号法廷であります。傍聴・集会に参加くださいますようお願いします。